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法務法人 麟(LIN)、公正取引委員会を代理して市場支配的地位濫用行為に関する執行停止事件で勝訴
2024.01.18
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法務法人 麟(LIN)は、2023年12月27日、公正取引委員会を代理して、社団法人韓国音楽著作権協会(以下「申請人」)が公正取引委員会を相手取ってソウル高等法院に提起した執行停止申請事件で勝訴しました。

1. 公正委員会の是正命令及び課徴金賦課処分

公正取引委員会は、申請人が放送事業者に対して著作権者としての地位を濫用して過大な放送使用料を請求・徴収することにより、競争事業者の放送使用料の徴収を困難にした行為に対し、是正命令及び375,000,000ウォンの課徴金賦課処分を下したところがあります。これに対し、申請人は上記処分の取消しを求める訴訟及び執行停止の申請を求める訴訟を提起しました。

2. 音著協の市場支配的地位濫用行為等

1988年以降、音楽著作権委託管理サービス市場を独占してきた申請者は、2015年第3四半期から同じ著作権信託管理業者である「社団法人 共に生きる音楽著作者協会」(以下「ハム著協」)が新規参入したため、「音楽著作物使用料徴収規定」に基づき、放送使用料を音楽著作物管理比率に応じて分けあって徴収しなければなりませんでした。

しかし、申請人は、正確な管理比率の算定が不可能であることを理由に、KBS、MBCなど計59の放送局に対し、これまで申請人が独占的に放送使用料を徴収する際に適用してきた管理比率をそのまま適用したり、または任意に過大に設定した管理比率を適用した放送使用料を請求・徴収していました。

申請人は、自らが任意に過大に算定して請求した放送使用料の一部のみを支払った放送会社に民事訴訟を提起したり、任意に策定した放送使用料を受け入れない一部の総合有線放送会社(System Operator)または衛星放送事業者等に対しては、音楽著作物の使用を禁止したり、使用料の引き上げ及び刑事告訴を予告するなどの方法でプレッシャーをかけていました。

また、ハム著協は申請人の行為により、他の放送局に放送使用料を請求及び徴収するのに困難をきたし、一部の放送局からは放送使用料を全く支払われることもなく、ハム著協は発足以来ずっと当期純損失を記録していました。

公正委は、上記のような申請人の行為が競争事業者(ハム著協)の事業拡大の機会を遮断し、放送使用料徴収方式に関する革新などを阻害する競争制限効果をもたらしたため、申請人は競争事業者の事業活動を困難にすることにより市場支配的地位を濫用したと判断しました。

また、公取委は、申請人が取引相手である放送局に任意の管理比率を適用して過大な放送使用料を請求・徴収した行為について、申請人が取引上の地位を濫用して取引相手に経済的利益を提供するよう強制することにより不公正取引行為をしたと見なしました。

3. 音著協の執行停止申請

本申請事件において、申請人は、課徴金処分に対する執行停止は求めず、是正命令と通知命令に対する執行停止を求めながら、是正命令が実現不可能であるとか、通知命令が出されると回復困難な名誉失墜が発生すると主張しました。

4. 法務法人 麟(LIN)の防御戦略

執行仮処分申請事件において、当事務所は
 
申請事件では、執行停止の要件が満たされたか否かについて重点的に争われるべきであり、申請者に正常な徴収をするような是正命令は絶対に履行可能性がないと考えることはできない点、
申請人が問題にしている要素は損害と見ることができないだけでなく、仮に損害であると仮定しても、これは補償され得る金銭的損害に該当するため、申請人にとって回復困難な損害の予防のための緊急の必要性が存在しない点、
公正委員会の是正命令に基づき、申請人が合理的な管理比率を適用して放送使用料を請求及び徴収する場合、取引相手方である放送会社に対する対外的イメージと信用及び名誉はより改善されるという点について、具体的な対応論理を掲げ、合理的な根拠とともに積極的に裁判部を説得しました。

5. ソウル高等法院の却下決定

ソウル高等法院は、被申請人側の主張を全て受け入れ、「申請人が提出した疎明資料だけでは、申請趣旨記載処分によって申請人に回復し難い損害が発生する恐れがあるとか、これを防止するためにその処分の効力を停止するだけの緊急の必要性があると認められない」という理由で、申請人の執行停止申請を却下する内容の決定を下しました。

6. 本事件の意味

本事件は、著作権分野で公正取引委員会が市場支配的地位の濫用行為として制裁した最初の事例であるという点で意義があり、特に、執行停止申請に対する認容率が非常に高い公正取引事件において、公正取引法及び知的財産権分野に対する深い分析を通じて、申請却下決定を導き出したという点で重要な意義があります。

 
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上記内容に関し、ご不明な点がございましたら、ご遠慮なく当事務所の公正取引チームキム・ジョンシク/チェ・ヒョンジュン弁護士(Tel. 02-3477-8695)までご連絡ください。
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